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ギベオン隕石をエッチング

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宇宙村にて先月購入した「ギベオン隕石」について、「エッチング処理」を行いました。当然ですが購入した段階で既にエッチングはされていますが、自分で改めて行いたいと思い今回試みてみました。

因みに「エッチング」とは「ギベオン隕石」や「ムオニナルスタ隕石」など特定の鉄隕石を、表面を磨いた後に化学薬品を用いた処理を行い「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれる独特の模様を表面に浮き出させる作業です。

なお処理に用いる薬品は「硝酸」「塩化第二鉄液」など強酸性の薬品であり、皮膚や目に付着すると大変危険です。そして一番大変なのは、廃液を不燃ゴミとして出せる様にするまでの処理であり、此れは大変手間がかかります。そのため今回は、できるだけ簡単にエッチングを行える方法を調べ実践しました。参考にしたサイトはYouTubeの「吉田勝一・物理実験室」チャンネルです。下記に、ギベオン隕石のエッチング手順とその結果を報告したいと思います。

事前準備

エッチングを行うために必要な部材は、3,000円未満で揃える事ができます。多くの部材がAmazonとダイソーで揃える事ができます。

  • 金属用サンドペーパー(#240〜#2000)ダイソーで購入
  • 無水エタノール Amazonで購入
  • プリント基盤用 エッチング液 Amazonで購入
  • ゴム手袋
  • ペーパータオル
  • プラスチック容器
  • 日曜大工用セメント(廃液処理に必要)
  • バケツ(廃液の冷却に必要)

表面の研磨

※お店で購入した時の状態の写真です

ギベオン隕石の表面を金属用サンドペーパーを用い、目が荒い#240番を用い研磨します。一通り研磨を終えたら、#400番、#800番、#1200番、最後に#2000番と、徐々に目の細かいサンドペーパーで研磨します。研磨していくと、ツルツルのピカピカになります。

※研磨作業で手が真っ黒になりました

なお既にエッチング処理が施されており、ウィドマンシュテッテン構造が出ている場合は、研磨すると写真の様に殆ど模様は消えてしまいますが、最後の薬品処理を行うと再び浮き出します。

表面の洗浄

磨き作業により隕石表面には手脂や汚れが付着しています。ペーパータオルに無水エタノールを染み込ませ、拭いて綺麗にします。無水エタノールが手に付着すると手荒れの原因となりますので、ゴム手袋を身に付けて作業します。

なお余談ですが、磨き上げたギベオン隕石の表面にはうっすらと不思議な模様が見えます。その模様が、レムリアンシードクリスタルの「レコードキーパー」に似ていると自分は感じました。

エッチング処理

※エッチング液に漬けて直ぐに、ウィドマンシュテッテン構造が浮かんできました

危険な作業なので、ゴム手袋は必ず付け、換気の良い屋外で行う事を推奨します。
プラスチック容器に磨き上げたギベオン隕石を入れた後、プリント基盤用エッチング液を満たします。浸している時間は5〜10分以内にしてください。

洗浄作業

ゴム手袋を身に付けて、慎重にエッチング液よりギベオン隕石を取り出します。この時点で「ウィドマンシュテッテン構造」は浮かび上がっています。直ぐに流水で隕石の洗浄を行い、無水エタノールで拭き揚げエッジングは終了となります。

エッチングが終わったギベオン隕石

宇宙村で購入した時よりも、ハッキリと「ウィドマンシュテッテン構造」が浮かび上がりました。なお、エッチング液に漬ける前は研磨されていたのでツルツルのピカピカでしたが、エッチング後はザラザラしており、触りごごちは若干わるくなっています。

片づけ

そして最後に、最も大変な作業である、エッチングに用いた薬剤(廃液)の処理を行います。幸いな事に今回購入した「プリント基板用 エッチング液」には、廃液処理用剤が付属されており、同梱の説明書通りに処理を行えば化学処理がされ、廃液は無公害物質となり不燃ごみとして出す事ができます。処理の手順は下記の流れになります。

  1. 付属のポリ袋に廃液を全て入れる
  2. バケツに冷却用の水を張る(処理用剤を入れると80℃位まで発熱するため)
  3. ポリ袋をバケツに入れ、ポリ袋の中に処理用A剤を入れる
  4. 処理用A剤を全て入れよく混ぜた後、処理用B剤を入れ混ぜる
  5. 半日ほど置いた後、セメントを混ぜ半日置く
  6. 無公害物質に化学処理され、不燃ごみとして処理が可能となる

以上の様に大変手間がかかります。しかし、廃液をそのまま下水に流した場合は配管を腐食させ、環境破壊にも繋がるため、必ず適切な処理を行う必要があります。